【仕事】コロナ休職から仕事復帰 CAママの苦悩
コロナウイルスの感染拡大で本当にたくさんの業界が打撃を受けました
航空業界はその向かい風を最前線で受けたと言っても過言ではない状況。
減便にはじまり、各国が国を封鎖し使っていない航空機がそれぞれのホームポートの駐機場にずらっと並ぶ異様な光景
渡航を禁止され需要の無くなった航空業界に長い暗黒の時代が到来しました
各エアラインは人員の削減を余儀なくされ、頼りにしていた多くの先輩や仲良くさせてもらっていた後輩ちゃんたちが職を失い、日本への帰国を強いられた壮絶な背景が過去約3年のあいだで起きていました
解雇を免れたクルーたち
解雇を免れたからと言って、手放しで喜べる状況ではありません
単純に考えて一本も飛ばしていない状況では利益がなく、クルーも必要ありません
社員に無給休暇を取るように促したり、基本給の減給、もともとあったはずの家賃手当がカットされるなどさまざまな措置が取られました
わたしが勤めている会社は男性クルーの比率も多く、大黒柱として家族を養っている立場からすれば激減した収入を補うために副業をはじめたりアルバイトを余儀なくされる社員が体感で90%を超えていました
幸いにもわたしは家庭の支出は夫が賄っており、当時はこどもが3歳5歳と小さかったこともあって子育てに専念すべくコロナ以前から無給休暇を申請しては却下される状況が続いていました
そんな中での休職希望者の募集。
率先して手をあげ、約3年ほどお休みをいただいておりました
夫の仕事の都合でシンガポールに引っ越したのもちょうどこの時期で、わたしの仕事の都合を気にすることなく生活の基盤を変えられたのもいいタイミングでの休職だったと思います
休職中の生活
ワーママだったころは幼稚園の行事に参加はするものの写真や動画に収めて直行直帰、他のママたちと話す時間も惜しく家に着いてはすぐに掃除洗濯。
タイムマネジメントもぎりぎりの状態で、すぐにこどもたちにイライラしていた記憶です(忙しすぎてあまり覚えていません)
全面バックアップしてくれていた実の母ともことあるごとに対立して、今考えたら本当に申し訳ないことをしましたが、当時はそれに気づく余裕さえありませんでした
そんな生活とは対照的に休職中の3年間は本当にゆったり。
子供を幼稚園に送ったあとは時間を気にすることなく買い物ができ、朝の洗濯がひと段落したら運動をしたり、今後のキャリアのために勉強する時間も確保でき、資格の取得もできました
幼稚園ママとも仲良くなって子供を同じ習い事に通わせたりランチに行ったりして、こどもが卒園してシンガポールに引っ越したあとも連絡を取る、ママ友の粋を超えたお友達ができたことも本当によかったです
コロナ前の働き方
コロナ前までは当たり前ですがフライト数もクルーの人数も安定していて、他の航空会社に比べてもレイオーバー(目的地での滞在)が長く、そのぶん滞在費の支給額(アローアンスと呼んでいます)も1か月に換算すると基本給とさほど変わらない額をいただけていた月もありました。
小さいお子さんがいるママクルーやロングフライトが苦手な人用に、日帰りのフライトしか入らないシフト
それぞれの出身国に定期的に帰りたいクルーに嬉しい、散らばったお休みをぎゅっと何か所かに凝縮(コネクティングデイオフ)することができるシフトプランなどがあり、クルーが自分の生活スタイルに合わせて自由に選択できる、とってもありがたい仕組みでした。
「客室乗務員をやりながら子育てしています」
というとめったに家には帰れないんですか?とよく聞かれるのですが、当時は一か月に多くて15〜18日ほどお休みがあり、オフィス勤務しているワーママさんより家にはいたと思います。笑
そんなシステムと、ゆるゆるな会社の社風がわたしにはとてもよく合っていたのもあり現在12年目の今、3年間もの休職を挟んでも復帰しようという気になれたのかもしれません
復帰してみて
なぜ復帰したかというと、ただただ会社から赤札が出て招集がかかりました
ベースがある香港は世界的にみてもコロナに関して水際対策が一番と言ってもいいほど厳しい国だったので、他の国がコロナ収束ムードとなり次々と国境を開いていたのを横目で見ていたときから予想はしていましたが、あわよくばあと1年くらいお休みしたかったなあ…。(休みすぎや)
そして肝心の働きやすさですが、一言でいうととっても悪化。(2023年7月現在)
- フライト数やパターンが安定していない
- レイオーバー時間の短縮によりアローアンス(滞在費)が削減
- コロナ中に人を解雇しすぎて人員不足
- 休みが少ない
- コネクティングデイオフのシフトがなくなった
復帰してから半年ほど経ちますが、これらは未だ改善されず ”いまは耐える時期” と思ってみんな頑張っています
家庭と仕事の両立について
CAという仕事はご存じの通り、渡航・滞在がメインの仕事
2児の子持ちママにとって、控えめに言っても周りの協力なしではとても難しいです
我が家は現在シンガポール在住ということもあり、住み込みヘルパーさんが家事のすべてをこなしてくれ、わたしは主に育児しかしていません
我が家のヘルパーさんは、歴代3人目にしてとっても優秀
こどもたちもしっかり懐いているので2、3日であれば1人でもまわしてもらえるのですが緊急事態に備えてわたしが不在の夜は夫がはやめに帰宅してくれ、ヘルパーさんに加えなるべくわたしか夫のどちらかがいる体制であるように心がけています
夫も海外出張が必ず月に1度以上はあるので、どうしてもわたしのスケジュールが調整できなかったときは日本のばあば招集です
インスタをご覧になってくれている方はご存じかと思いますが、3か月に一回のペースでストーリーズに母が出てくるのは夫が長期の出張だからです
海外好きの母がフットワーク軽くいつでも来てくれるのはとっても強い味方ですし、離れて暮らす大好きなばあばに会える機会が増えて、こどもたちはとても嬉しそう。(そのぶんバイバイのときは号泣)
子供との時間の確保
前述したようにコロナ前より休みは少なくなりましたが、それでも月に13~15日ほどは確保してこどもの休みに合わせたり、学校行事に出向くようにしています
家事をしなくてよくなったぶん、家にいる時間はこどもとの時間を確保できるようになりました。
平日学校から帰宅した後に一緒に遊んだり、晩御飯ができるまでゆったりお風呂に入って1日の出来事を報告し合ったり、休日は1分も家事に時間を取られることなく朝から晩までいっしょに過ごすことができています
主婦9年目にして本当にお恥ずかしい話ですが、結婚当初からヘルパーさんがいたこともあり家事に慣れていないので、休職中の3年間は家事に時間を取られてイライラすることが多々。(3年で慣れろ)
そういった面ではわたしのメンタルヘルスは休職中よりも保たれているといえます。
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【設置費込み1000ドル以下】シンガポールで賃貸OK食洗機を購入に関する記事はこちらです。
母としての葛藤
とはいえですよ
知り合いやインスタを見てくださっている方からしたらうまく仕事と家庭を両立し、仕事として気軽に海外旅行のできるキラキラした生活かもしれません
実際もインスタとなんら変わりない生活であることは事実としてありますし、CAという仕事は若い世代にも胸を張っておすすめできるドリームジョブだどいえます
ただわたし個人として、犠牲にするものが大きい
そしてそれがこどもの成長だということ
これはCAだから、というよりはワーママなら誰しもが負っている永遠の課題かもしれませんが仕事と家庭を両立しているママには常に付きまとう葛藤です
特にCAは海外滞在中は当たり前ですが母不在。
ヘルパー制度のない日本で仕事と育児に加えて家事もこなしているスーパーママさんからしたら、なに言ってんだ?と思われる案件かもしれませんが、やはり毎日寝る前の時間を子供と一緒に過ごせる隣の芝は青い
その実態は仕事終わりに保育園や学童から帰宅し、晩御飯やお風呂、待ってはくれない明日という1日の準備に追われほとんど子供と真摯に向き合う時間なんてありやせん!という声が聞こえてきそうです
それでもLINE電話やCCTV上でコミュニケーションを取るだけよりは、ずっと温かさを感じてしまいます
仕事は何歳からでもできるけど、子供が小さいのはいまだけ
いつか自立して、私のことなど必要としなくなる日がやってくる
「ママ次はいつからお仕事行くの?」「いつ帰ってくる?」
と聞いてくれるのも今だけかと思うと、果たしてこのままこの仕事をしていていいのか?と自問自答する日々です
最後に
この記事をここまで読んでくださる方の中にはこれから職場復帰する予定の方、CAママ、今は未婚や子なしだけどいつか同じような働き方をしたいと思っている方などさまざまだと思います。
ただひとつ言えるのは、正解なんてねえ。
大切にしたいのは、母になっても自分の人生の舵は自分できるということ
仕事一筋バリキャリママも、子育てに専念したい専業主婦も、その人の人生において大事なものが主役であればそれはそれで大正解だし、外野が肯定も否定もないと思うんです
ただ私個人として、今の会社の状況に伴う社員の働きかた、いわゆるライフワークバランスがコロナによる変化で少しあわなくなってしまったと少なからずモヤモヤしている
エアライン業界が安定するのが先か私の持久力が尽きるのが先か…
自分自身が納得できる働き方が出来るように模索する日々です
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